なぜ熊手は現代社会において多くの人たちにもてはやされているのでしょうか。
日本にはこのようにして古くより伝わる縁起物と言うものが存在しています。
熊手が一杯並んでいる光景を目撃することがあると思いますが、それは「酉の市」と呼ばれるお祭りです。
なぜ熊手が縁起物なのか
熊手がもともと縁起物だと決めつけている人たちもいるかもしれませんが、実際に熊手は縁起物として登場した訳ではなく、ただ落ち葉をかき集めるために作られたものです。
「かき集める」という言葉ですぐにピンと来た人もいるでしょう。
それほど熊手に深い意味があると言うことではありません。
熊手は「幸運を、財産をかき集める」と言う意味で江戸において話題を集めることになります。
酉の市は江戸時代から長く続く、歴史のあるお祭りです。
しかしもともとは現在のように商売繁盛や開運招福のお祭りと言うことではなくて、 農民たちがその年の収穫を感謝するための収穫祭だったようです。
葛飾花又村に住む特定の農夫たちの収穫を感謝するお祭りがだんだんと知名度を増し 江戸全体に知れ渡ることになります。
ここで多くの人たちが賭博も行ったようです。
しかし、 安永年間に賭博禁止令が出ると、酉の市の盛り上がりは徐々に衰退して行くことになります。
ただし、浅草の酉の市は例外であり、近くに新吉原があることもあり、人気が衰えがありませんでした。
その中で販売されていた熊手も最初は、掃除するための道具に過ぎなかったのです。
やがて江戸の人たちの手によって、熊手が縁起物とされるのは、単に江戸の人たちの機知・ユーモアによるものと思われます。
そして熊手は掃除するという機能からかけ離れて、色とりどりの装飾が施されることになります。
熊手はどのように使用するか
是非騙されたと思って熊手を買って有効的に利用してください。
信じるもののみが救われるのです。
熊手の取扱いにはルールがあります。
せっかくなのでより縁起が招かれる利用をしてください。
玄関に飾る場合、 位置は少し高めにして、入口の方へ向けるのがベストと言われています。
室内に飾りたい場合は、位置はやはり少し高い所で、正面を北以外の方角に向けて飾ります。
熊手が神社やお寺で熊手をいただいたものの場合は、神棚や仏壇がご家庭にあるようならそこに飾るのがよいでしょう。
そして1年間飾ったあと、熊手はしっかりルールに則って処分しなければなりません。
酉の市には「熊手納め所」があります。
次の年の酉の市でそこへ熊手を修めましょう。
年末年始に最寄りの神社などでお札やお守りを回収する場所が作られていることがありますが、そこへ納めるというのも大丈夫です。
いずれにせよ、熊手を処分する時には感謝の気持ちも忘れず込めるようにしてください。